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Author:人面犬
1976年(昭和51年)生まれ 32才
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TOP > 週刊少年チャンピオン > 島崎カオル 『バーサス』 第1話 バケモノ
島崎カオル 『バーサス』 第1話 バケモノ 2008.09.26
そのいきさつについては、こちらの記事を参照。
高橋ヒロシ作品のメガヒット、それに続く「クローバー」「ドロップ」の商業的大成功。
今や秋田書店の経営自体、高橋ヒロシ先生に負うところが大きいと思うのだが、その成功パターンに倣ったのだろう・・・、島崎カオル先生の「バーサス」が今週より新連載スタート。
厄い期待に胸を膨らませて、まるで他人の日記を盗み読むかのような背徳感をどこかに感じながら、俺はページをめくった。
レビュー本編に入る前に、初めにこれだけは確認の意味も込めて記しておきたい。
非常に丁寧に、しっかりと、手を抜くことなく、読者を楽しませたい、次週を心待ちにさせたいという「漫画家良心」に基づいて描かれた真摯な作品であることは間違いない。
それは、確実なことだろう。
しかし、漫画とは残酷なもので、完成した作品は・・・、オープニングページの
ヤンキーマンガ界に新風を巻き起こす!!
というキャッチコピーとは裏腹に、どこか既視観たっぷりの昭和の香りがプンプン香り、高橋ヒロシ作品の系統からは大きく道を踏み外し、ただひたすらに「つまらない」「格好悪(ダサ)い」ことだけが最初から最後まで見事なまでに貫徹された正統派秋田臭の作品である。
マーケティングという側面から考えても、今回の新連載の意図は正当だろう。
繰り返しになるが、高橋ヒロシ先生の作品「クローズ」「ワースト」は1000万部超の大ベストセラー、同作品が今をときめく人気俳優によって映画化され、それの続編も公開準備中。
平川哲弘先生の描く「クローバー」も単行本ミリオン達成と、このラインが読者に支持され、ヤンキーマンガというジャンルが、底堅いファン層を持っていることは明白な事実である。
その成功例から、この作品が「ナンバMG5」仕切り直しの空白期間に抜擢されたことは、意図としては十分に理解できる。
ところが、今、「バーサス」を読んで胸に去来するものは・・・
(やってしまった・・・)という悔悟の感情と(最終第4話まできっちりと精読したい・・・)という覚悟の感情である。
画風、タッチは確かに高橋ヒロシ先生に似てはいる・・・、似てはいるけれどまったくの別物であると感じてしまう。
ロッテのビックリマンシールとロッチのドッキリマンシールのような相互関係だろう。
チャンピオンの過去連載作品で言うならば、沖田龍児先生の「家族のオキテ」、山田浩一先生の「愚零斗鏖」(ぐれーとみなごろし)に近い画風で、よく見ると『漫画ゴラク』『漫画サンデー』系の画風とも思える。
同時に、ここは謙虚な気持ちで、受容すべきことなのだが、これだから秋田書店は面白いのである。
野球に例えるならば、ヒット、ヒットの連続で走者が塁に出て、盛り上がりが最高調な時に、空振り三振ならともかく1球目を打ってダブルプレーであっけなく攻守交代というのが秋田書店の魅力であり伝統なのである。
本編の内容に入りたい。

スロットで負けた・・・
次はパチンコで勝負・・・
スロット店の店員の態度が悪い・・・
高校に真面目に行っとけば良かった・・・
腹が減った・・・
およそ少年誌の新連載作品のオープニングとは思えない下品さが厄い。
『アサヒ芸能』、『週刊実話』にありがちな山崎大紀先生の風俗レポートに登場する男にしか見えない。
そして早くも次のページで主人公と思しき男が登場するのだが・・・

立派な体躯、鋭い眼光、サボテンのような独特すぎる髪型・・・
いきなり「何か食べ物持っていない?」と見ず知らずの人に尋ねるばかりか、幼児言葉で怒り出し、すぐに涙を流して落ち込む・・・
度を越して大きな体、分裂した精神状態、恐ろしい幼児性・・・2ページ目にして真正キチガイ主人公が登場!!
そして、まったく「魅力ゼロ」の主人公に胸が高鳴る!!
続く見開きタイトルページなのだが・・・

左からキチガイ、ホスト上がりの風俗店経営者、新聞拡張団員、スーパーDQNの並びにしか見えないという怪奇!!
冒頭に登場した花笠虎に声をかけるブラッド頭(ヘッド)大黒茂晴なのだが・・・

この登場の仕方、これって何かの悪い冗談ですか・・・

スロット2時間で3万円儲けたという自慢話!!
・・・、すぐ上の「漢(おとこ)を語る!!」という文字が涙でくすんで見えなくなるほどの脱力感。
地方から上京してアパートで一人暮らしを始めた大学生に、商品券をちらつかせて、新聞契約の勧誘を執拗に迫る怪しい男にしか見えない。
その脱力感は、このカットでさらに進化を遂げる。

改めて問う・・・、この漫画が21世紀、平成20年の今、「週刊少年誌」に掲載されることは許されるのだろうか?
やはり秋田書店は出版界の治外法権なのだろうか?
続いて、登場するのが、ブラッドと対立していると思われるもう一つのグループ、ワルキューレの頭(ヘッド)榊七斗なのだが・・・

大井競馬場の平日開催に現れるコーチ屋にしか見えない風貌がカリスマ性ゼロ。
そして、主人公と思しきキチガイと殴り合いになるのだが・・・

完全に画面が死んでいる・・・。
ブラッドの大黒茂晴の話によれば、ワルキューレの榊七斗は「この街を制圧しようと兵隊を増やし続けている」というのだが・・・

榊七斗の小者臭が丸出し・・・これはありえない・・・、こんな奴の下に付く奴なんかいないだろ・・・。
続いて、中華食堂を出た虎と茂晴の会話のページにあるカット・・・

笑うカット・・・なのだろう・・・きっと・・・
笑いたくても笑えない・・・ただ、空虚な気持になって、慈悲深い俺は「南無・・・」とつぶやいて合掌するのみである。

神様・・・教えてください・・・
つまらない漫才にしか見えないこのやりとりを、わざわざ見開き2ページ使って見せようとする意味とは何ですか?
いや、ブラッドとワルキューレの頭(ヘッド)が偶然接近する・・・というのは分かるのだが・・・、この緊張感・緊迫感ゼロの見開き画面は無駄だな・・・。
この「バーサス」について、一般的な読者は「空気」として何も感じず、何も考えずスルーして終わるだろう。
それで、果たしていいのだろうか?
いいのである。
この「バーサス」という漫画、深く考えた時点で負け組決定なのだから。
次週、どういう展開になるのか予想も付かない・・・、というか予想もしたくない。
ただひとつ言えることは、4代目フリオチを襲名するだけのパワーはこの作品にはないということである。
どうでもいいよ・・・、そうつぶやいて読み飛ばすことは簡単だけれども、チャンピオン系サイト運営者ならば、この漫画がどうして掲載されたのか?どう捉えるべきなのか?について考察し、その病理を解決する努力が求められると思うのだが・・・
いや、やっぱりどうでもいいや、うん。
COMMENT
これはホント……古いというかスカスカというか
ダサ古くてスカスカというか
覇道ってまだマシだったんだなぁと痛感しました。
今からアンケで意見したところで確実に手遅れなのでしょうが、
それでもHADOUの如く、バーサス→VERSUS
くらいの脱皮を見てみたい……ッッ!!2008.09.28 | URL | U #4SSKmKVw [ 編集 ]
どうもご無沙汰しております。
クローバーやバーサス、みんな高橋ヒロシ先生の影響だと
おもいます。クローズやWORSTを見てるみたい感じです。2008.09.28 | URL | 矢☆印 #- [ 編集 ]
Uさん
>覇道ってまだマシだったんだなぁと痛感しました。
まったく同感です。
覇道と比較すると、いかに覇道が「絵的に」優れていたのか痛感させられます。
矢☆印
お久しぶりです。
CTCのみならず、PIXIVも拝見させていただいております。
>クローバーやバーサス、みんな高橋ヒロシ先生の影響だとおもいます。
高橋ヒロシ先生の影響・・・悪い形ではなく、もっと熱い形で、新たな作品が生まれないものかなと思います。
初めは「模倣」であったとしても、そこから連載が進むにつれて、オリジナリティ、個性が確立することもあると思うのです。
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