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いまや、『週刊少年チャンピオン』において、名実ともに、最高の栄誉(単行本増刷!)と名誉(2週連続表紙&巻頭カラー)を手に入れた我らが「クローバー」。
「クローバー」における、あまりにも常識という壁を高く越えた「クローバーワールド」の魅力については、先週、記した。
そして、今週の第61話、やはり・・・、ヤバイぐらいに面白い!
イチゴの携帯に画像送信された囚われの身となったサヤカの画像・・・、それを見て、驚いたイチゴは、走り出す。
「クローバー」において多々、登場する「クローバーダッシュ」(命名・宇都宮勇さん)を、皆さんはご存知だろうか?
ダッシュなのだが、まるで時間が止まっているかのような、まったく躍動感のない走り方。
それがクローバーダッシュなのである。
今週の第61話に描かれたクローバーダッシュについて、まとめてみよう。




ここに俺は、すべての無駄を省いた様式美を感じる。
この様式美は、人間の持つ運動能力の高さを、単純且つ明快に描き切っている点において、高度な芸術性を帯びたチャンピオン漫画写実主義であると言える。
そして、イチゴは重い口を開く。
「前の学校の時 安藤ってゆう オレのこと嫌っている先輩がいたんだ」
「そいつが クラスの友達 さらったみたいだ・・・前と・・・同じだ・・・」
ダメだ・・・、ヤバイ・・・、笑いが止まらない。
「ありえない」
それを漫画に対して指摘することは、お門違いだろう。
でも、クローバーは違う。
「ありえない」ではなく、「考えもつかない」のがクローバーなのだから。
安藤の一連の行動を、今一度、振り返って考えたい。
イケメン、長身、金持ち・・・女には一生不自由しない身の安藤の前に現れたイチゴという存在。
そのイチゴに強烈な嫉妬(思い込み)をして、イチゴの女友達を誘拐、監禁し、携帯電話のカメラで撮影した安藤。
そして、イチゴと激突した安藤は額に傷を負ってしまう・・・。
「ありえない」と突っ込むのは野暮だろう。
先週も記したが、クローバーワールドに論理を求めることは悪なのだから。
けれど、これだけは指摘したい。
「こんなストーリー、誰も考えもつかない」
そこにクローバーワールドの魅力の一片がある。
場面は展開し、安藤が病院で医者と話すシーンになる。
先週のイチゴが「すぐ救急車をお願いします!!」と言ったシーンに次ぐ、適当な言葉が見つからないほどに哲学的なカットが描かれている。

何か見てはいけないものを見てしまった・・・という快感。
これも、クローバーワールドの重要な要素だろう。
そして、安藤とサヤカ、二人っきりのシーンに戻る。
安藤の言葉は続く、読者を休ませてはくれない。



そうだ・・・、そうだよな・・・。
自分が恥ずかしくなった。
俺は、まったく安藤のことを理解していなかったのだ。
「わかってねェよ オマエ」
この安藤に言葉に、俺は動揺した、激しく動揺したのであった。
続く安藤の言葉・・・、涙が出てきた。
そして、俺は嫉妬した。
サヤカに激しく嫉妬した。
もし、俺がサヤカだったら、死んでもこんな言葉は言えない。

もし俺が、サヤカの立場だったら、きっと
私を抱いて そして キスして
と泣きながら言って、安藤の胸に深く顔をうずめていただろう。
イチゴが退学になることを避けたいと思ったハヤトは、独自のハヤト友情理論(誰も根本的には救われない理論)で、サヤカの元にクローバーダッシュ。
「どこ行けばいいんだろ・・・」
その途中、横断歩道で、車からクラクションを鳴らされている老人を発見。
モジャオ小林兄弟と遭遇する。
物語は次週に続く・・・、俺は、思う。
これが2週連続表紙&巻頭カラーだなんて絶対間違っている!!
「弱虫ペダル」の今泉も危険な魅力たっぷりだが、「クローバー」の安藤も負けていない。
いや、俺は確実に安藤支持派なのだから。
ルックスが良くて、高級外車を乗り回すほどのお金持ち・・・。
けれど、性格は小者臭たっぷりで、思い込みが激しく、友達は少ない・・・。
「クローバー」安藤の魅力は
どこかが異常に過剰で、どこかが異常に欠如していること
だろうと思っている。
「天は二物を与えず」
もし、これから、こんな設定が出てきたら、俺は平川哲弘の奴隷になってもいい。
安藤の父親は国会議員で地元の有力者。
実業家としても活躍している。
安藤は次男で、長男は東京大学の学生で官僚志望。
安藤自身も元々はエリートの子息が通う名門大学の付属中学の出身。
兄には絶対勝てないという絶望から道を踏み外す・・・。
やめよう。
「ありえない」のがクローバーではないのだから。
「考えもつかない」のがクローバーなのだから。
そして、今夏、クローバーTシャツを着て、街に、海に、山に出かけよう。
「お父さん、このクローバーって、どういう意味なの?」
「子供は知らなくていいことだよ、大人はもっと知らなくていいことだけど」
ハヤトと安藤の激突が今から楽しみで、楽しみで仕方がない。

